いとけいのにっき・ボックウィンクル
2011.05.24(火)
▼ [マット界] 「武道掣圏」第一回武術大会
仕事も早く終わったので、突発的に当日券観戦。佐藤光留選手が出るので気にはなっていたのだ。
八角形の、土俵の俵のような縁のある闘技場が目に入る。客入りは最終的には6割程度?南側通路ぞいで、しかも前がガラガラで見やすくはあった……。
開始前に佐山聡、真樹日佐夫、新間寿のあいさつ。骨法の祭典でも真樹先生いらっしゃったなあ。
試合規定(ルール)説明があり、関節技、絞技による参ったは当然として、打撃によるダウン(10カウントではなく倒れた時点)でも「完全一本」として決着という。また、相手を動けなくして3秒で「制圧」、相手「のみ」闘技場から落とすことで「場外」でそれぞれ一本の、これらは2本先取で決着。
審判3人によるルール実演では、何度も「市街戦」という言葉が出てくる。「場外」は階段、駅のホームから落ちること、あるいは車道に飛び出すことかもしれない。「床」は当然アスファルトやコンクリ、タイルということになる。今回はなかったけど、投げ技で強く床に叩きつけられたら、試合として継続できるとしても一本負けを宣告されるかもしれないし、それでいいとも思う。
あとは「壁」があった方がいいとも思う。それはロープやUFCなどのケージのようなクッションのあるものではなく、硬い板状のものを。ただ、想像するに、壁に押しつけられると、押された側にとって金的や頭突きは有効になると思うんだけど、これらは禁じ手であるので、整合性がむずかしい。
決着のつけかたが多いということは、試合が早く終わるということでもある。これはパンクラスの秒殺というよりは、相撲に近い感じがした。観る側もなかなかピンと来ないようで、終盤まで、制圧、場外の一本の反応が鈍い。
それでもセミファイナルの佐藤光留vs長谷川秀彦になると慣れてくる。佐藤の首投が冴え渡り、まず首投げによるテイクダウンから袈裟に固めたまま押し出し場外一本。次も首投げから再び場外を狙うが、ここは両者とも落ちてしまう。仕切り直しもまたもや首投げから上を取り、制圧一本の2本先取で完勝。すばらしい。
メインは桜木裕司vs若翔洋。体重差60kgの無差別級。無差別こそリアル。桜木はそれも、押し出しを狙われることも承知で受けていると試合前に語っていた。いざ立ち会い、若翔洋はまさに相撲の立ち会いのように低く、少し斜めに構える。そのまま突進して押し出すかと思ったが、相撲と違いどっちが先かに関係なく両者場外では勝てないから、意外とすっと立って、打ち合いになる。いや、桜木が一方的に顔面にのみパンチを打ち込み、あっという間にダウンによる完全一本。若翔洋はしばらく立てず、その横で桜木は外に向かって正座し、静かに待つ。格好良い……。
他に特筆するのは、第5試合の宮沢誠vs岡田孝。宮沢に場外一本先取されて、再び詰め寄られた岡田が何を思ったか後ろ回し蹴り。宮沢はあっさり避けると押し出しどころか送り出しで一本。場内が「それはだめだー」でひとつになった瞬間。捨て身技が通用しないだけではなく、命取りになるということでもある。
全試合終了後は、八角形の各辺に8試合の勝者が座り、その中で佐山の演武。最後にあいさつで、トータル2時間ちょっと。
今回は掣圏&リアルジャパンの選手以外も、プロレスラーや柔道家が大部分で、空手家やボクサーは少数派だったけど、市街戦では立ち技こそ有効という意味でもシュートボクシングの選手とか出てくればおもしろいけどなあ。