CGの作りかた

 ここでは絵の描きかたというより、ツール(Photoshop 5.5&Painter 6)をどうやって使うか(使っているか)です。Photoshopは4以降なら同じようにできると思いますが、Painterは、特にレイヤーに関して、6より前ではできない(というか、ものすごくめんどくさい)でしょう。
 絵がうまくなりたいひとは、別のところでがんばってください(笑)。

■←は今回のサンプルに特化した部分です。


Step 1

 まずはじめに、紙に下描きします。A4まんが原稿用紙が描きやすいので、それに、てきとーな大きさで。

■コサージュは脇に描いて、スキャン後に下描きのまま胸に移して合成しました。


Step 2

 下描きの紙を「白黒写真300dpi」でスキャンします。取り込んだ状態では、余白の部分もグレーがかってるので「イメージ>色調補正>レベル補正...」で紙の白が白になるように調節します。所詮は下描きなので、厳密にやる必要はありません。
 この段階で、Painterの「鉛筆」で、必要であればレタッチします。というかうやむやにしてた部分を確定するという感じです。
 下描きとして納得したら、300dpiは大きすぎるので、半分の150dpiぐらいに縮小します。縮小後にレタッチでも、もちろん問題ありません。

■靴のディテールとか服のピンタックとかを後回しにしてたので、ここで描きこんでやります。今回は縮小は150dpiですが、要するに何でもイイです。


Step 3

 Step 2 をPainterで読み込み、マスクを作成します。「選択範囲>自動選択...>画像の明るさ」、「選択範囲>マスクへの保存...」とすると、線画をマスク化したものができます。これは線画の保護とかではなく“トレース元”として使用します。マスクができたら(この時点では表示されていない)、元の下描きは消去します。
 オブジェクトパレット「マスク」で、マスクは表示のみ(目玉マークがついている)、描画対象はキャンバスとすると、マスクは薄く表示されます↓。
 これにそって主線を引くことになります。

■あっちーさんとか宇宙帝王さんとかに教わったやりかた。


Step 4

 「鉛筆<2B>」を太さ1.0(Painter 6の単位)に細めたもので主線を引きます。線を何本も引くようにして、あごの線などのタッチを出します。作業中は画面表示を200%か300%に拡大して、長いストロークではなく短い線をつなぐように引きます。髪の毛などは勢いがほしいので、すっと引いて、うまくなければ「アンドゥ」、これをくりかえします。
 最終的に主線の色分けをしたい場合は、オブジェクトパレット「レイヤー」で新規レイヤーを作成し、合成方法を「乗算」にして、そこに同じように描きます。
 線が引けたら、その時点のセーブファイルは残すようにします。



■白いワンピース(ブラウス&ペチコート?)をStep 7-1 で白くするので、別レイヤーにしてます。髪の毛も別レイヤーにしたほうがよかったかも。


Step 5

 Painterの「水彩」で色を塗ります。Step 4 で複数のレイヤーを作成した場合は、先に「すべて固定」しておきます。太めのブラシではみ出しを気にせず(そのほうが自然な感じになる)塗るようにして、陰影をつけた後、最後にはみ出した部分を「水彩消しゴム」消していきます。ひとつの同じ色の範囲をそうして塗った時点で、いったんRIFFフォーマットでセーブします。次の色を塗る前に水彩レイヤーを「乾燥」し、上書きしないように別ファイル名でセーブしたうえで、Step 5 を繰り返します。
 これで、色別に水彩レイヤーの状態を保持した(=塗りなおしが可能な)複数のファイルができます。

■肌色&コサージュ&靴/白ワンピース/ジャンパースカート/髪の毛1/髪の毛2(2色を重ねている)に分けています。


Interlude

 水彩はメイン……というより、色塗りにはほとんど水彩しか使ってないので、「水彩細筆」をベースに、太さをいろいろ変えた設定をあらかじめ用意しておきます。ちなみに「75」というのは「補充量」(ブラシパレット「コントロール>塗料...」)で、これも(濃く)変更してあります。

■Painter 5のブラシ設定ファイルをコピーしたらそのまま使えました。そしたらブラシサイズ単位が変わってたらしいです(実寸は同じみたい)。

 特に広い範囲を塗るときに、よくカラーパレットの「カラー範囲±H」スライダーを10ぐらいにして、色を「ぶれ」させます。これによって、広い部分の色が単一にならずに、ちょっとした「深み」のようなものを出すことができます。

 服などの柔らかい部分(でも肌には使ってない)では、「ぼかし」(ブラシパレット「コントロール>水彩...」)をつけて、色を置いた後にふわっとストロークのエッジをぼやけさせます。布の柔らかい感じを出しやすいです=エナメルなどには使えませんが。

 Painter 6で、レイヤーがPhotoshop 5とほぼ同じになったので、「水彩」以外の画材でも、新規レイヤーを追加すれば、主線を気にせずに(Step 5 の「水彩」と同じように)塗れるようになってすごく便利です。


Step 6

 Step 5 でセーブした各ファイルに対し、「選択範囲>すべて選択」「編集>消去」すると、「水彩」で塗った部分だけが残ります。これを「キャンバス>乾燥」し、Step 5 とは別にPICTでセーブします。これで色別の、色だけのデータができます。




Step 7

 Step 4 の主線と、Step 6 まででできた色のPICTファイルを、主線をベース(背景)にPhotoshopのレイヤーとして重ねていきます。この状態でいろいろな効果や補正をほどこします。

■最初に背景とした主線は、「服の柄の描きかた」を行った結果、もっと上のほうにしてあります。


Step 7-1

 服などの白い部分の線(白い生地やレースなど)は、そのとおり白にしてやると、とてもきれいです。

 まず(Step 4 で別レイヤーにした)白い部分の主線のレイヤーを、レイヤー構成の最上位に移します。そしてレイヤーを複製、複製したレイヤー(上に作られる)を元のレイヤーのすぐ下に移します。
 元レイヤーは「階調反転」で黒地に白線!にし、「レベル補正」で白を強めます。複製レイヤーは「ぼかし(強)」で柔らかくした後、不透明度を30%程度にして、レイヤー全体を斜めに1ピクセルずらします。元レイヤーだけだと白地に白で目立たないので、複製レイヤーで白線の「影」をつけてやるのです。

 拡大すると妙な立体感が出てしまいますが、実寸で見れば問題ないはずです。

■元は「レースの描きかた」だけど、「白い生地」でも使えたので最近多用。


Step 7-2

 太い輪郭線は、情景という意味での背景がない場合に、イイ感じの効果を出すのに便利です。
 表示される主線とは別に、Step 4 の主線ファイルを、色別になっているのをすべて統合したうえで、Step 7 に重ねます。これを「自動レベル補正」「シャープ(強)」でくっきりはっきりさせ、輪郭部分の線がつながってないところをふさぎます。これは範囲選択用なので、輪郭の外側にはみ出さなければ丁寧にやるひつようはありません。
 できたレイヤーの輪郭の外側を「自動選択ツール」(アンチエイリアス)で選択し、選択範囲を1ピクセル「拡大」すると、わずかに主線に食いこんだ状態で外側が選択範囲になります。新規レイヤーを作成し、この範囲を黒で塗りつぶします。人物以外が真っ黒になります。
 いったん選択を解除し、ふたたび主線くっきりはっきりレイヤーから輪郭の外側を選択、今度は選択範囲を数ピクセル「縮小」し、その範囲を前に塗りつぶした新レイヤーから消去します。これでだいたい輪郭に合わせて太い線が残ります。このままだと髪の毛の先など、鋭角な部分はぼやけた線になります。他の部分もチェックして、必要であればブラシで修正したほうがイイでしょう。


Next Step...

 あとは、ジャンパースカートにうまぬいぐるみ柄を貼ります


or Finish

 公開時は適当に縮小します。(わたしの)(最近の)目安としては、19インチモード=1024×768に収まるぐらいにしてます。