FET差動ヘッドホンアンプVersion 3(AC100V版)
兼プリアンプ(プリアンプ4代目)

2014.01.05

●経緯

 しばらく前から、音楽再生用のプリアンプとしてはFET差動プッシュプルヘッドホンアンプを使用していました。試してみたらE182CC差動ラインプリアンプより好ましかったためで、でもヘッドホンアンプの入出力は1つずつしかないので、入力はケーブルのつなぎ替え、出力はプリアンプのロータリースイッチ手前にICクリップでつないで切り替え機能だけ使うという、アクロバティックな配線をしていました。

 プリアンプの4系統ずつの入出力切り替えはとても良いので、それを残しつつ中身はヘッドホンアンプ、ってやろうとは思ってはいたのですが、プリアンプもせっかく作ったのにという思いがあり、でも変な配線をズルズル続けてもアレなので、FET差動ヘッドホンアンプのVersion 3化も兼ねて正月休みに製作することにしました。


●設計

 ベースはFET差動プッシュプルヘッドホンアンプ(AC100V版)で、これを「AC100V版」のままVersion 3に変更します。アンプ部の回路構成はまったく同じなので、ラグ板の素子を入れ替えるだけ、電源もAC100V版よりちょっと多めにドロップしてやるだけです。

アンプ部(赤の電圧は実測値)

電源部

 元の回路図はいずれもぺるけさんのページから拝借しました。


●製作

 まずは元のプリアンプとヘッドホンアンプから流用する部分だけはぎ取ります。プリアンプからはシャーシ、インレットから電源スイッチ、入力〜切り替え〜ボリューム(アッテネータ)、出力〜切り替えを、ヘッドホンアンプからは電源トランスと電源回路、アンプ回路本体部を残します。

プリアンプからは外周だけが残る

 ヘッドホンアンプのラグ上の抵抗&コンデンサを変更するのは、コンデンサはハンダを溶かして抜いて、穴の中のハンダを吸い出しましたが、抵抗はやたら厳重に穴にからげてあるので、抜くのはムリと判断。リード線を多めに残してそこに引っかけるように取り付けてハンダづけ、としました。

 ヘッドホンアンプの電源トランスとラグの再固定は、穴開けでアルミ削りカスを出すのがイヤだったので、すべて貼り付けボスにしました。アッテネータがでけえので、少し窮屈。

電源トランス用の穴も開いてて狭い

 ということで工作そのものは意外とあっさりと終了。苦労したのはアンプ部の2枚のラグ板の貼り付けボスを、ちょうどいいとこに貼ることだったような。

 これだけだと入出力がRCAピンジャックだけでヘッドホンをつなげられないので、簡単にピンプラグ〜ミニジャックのケーブルを作成、前面出力端子に常時ぶら下げておくことにします。てことは本体はあくまでプリアンプ?

Wonder-Ranch by itokei