EL34超三極管接続V1差動プッシュプルモノラルアンプのバランス入力化
●経緯
大元のきっかけはRoland Mobile UA USB-DACを購入したことでした。このS1LKiによるPCM→1bit変換がいい感じで、常用となりました。その後発表された上位版Super UAではバランス出力になるということで、じゃあそれ買ってアンプ関連すべてバランス伝送にしよう、と安易に思い立ったことから始まりました。
まずセレクタ付きプリアンプ(兼ヘッドホンアンプ)としてバランス型FET差動ヘッドホンアンプを作ろうと思い、でもシャーシ加工が面倒で業者に依頼したら、盛況らしく3週間くらいかかるということで、先にEL34アンプをバランス化することにしました。
ところでSuper UAは売価予想7〜8万円とか(3/10時点Amazon予価75,600円、4/17発売予定)で、チト厳しい……。じゃあ1bit変換はソフト=HF Playerにして、DSDとバランス出力に対応したDACにするかとも思いましたが、そういうDACは安くても3万円台で、iTunesとHF Playerとの両使いも面倒なので、もう分割ででもSuper UA買ってやるという現在の気分です。Mobile UAの2つのステレオ出力を2chのバランス出力として使えればいいんですが(ファームウェアでできそうな気もするけど、やらないよなあ……)。
●設計
そもそも本記事の対象であるEL34超三極管接続V1差動プッシュプルアンプは、原典がバランス入力の平衡型EL34全段差動プッシュプル・モニター・アンプ(15W)(→アンバランス入力に変更→超三極管接続に改造)なので、バランス化は入力&負帰還の構成を原回路に戻すだけです。
入力端子はRCAジャックからステレオフォーンジャックに変更します。アンバランスを入力する際は、2極のフォーンプラグとRCAの変換アダプタを挿しておけば、自動的にGNDとColdが短絡されて便利です。
●製作
もともと入力&負帰還は小基板にまとめてあって、素子はすべてICソケットに挿してあるだけなので、これを利用します(後ではんだで埋めようと思ってやってなかったのが幸い……)。外部入力側の51K→56KΩ、負帰還側の2.2KΩ、330pF、100→160Ωについては現在の状態そのままあるいは差し替え、追加する素子どうしを先にはんだ付けしてしまってから小基板に取り付けるようにしました。はんだ吸いなどを使って既設の素子を引っぺがす必要がなかったのは幸いでした。
実際の製作では、アンバランスでアースに落としていた側のスピーカー端子からの、そのアース引き回し切り離しや負帰還の接続先で何か所か間違えましたが、素子を壊すこともなく無事音が出るようになりました。ステレオをHotとColdに入れるとセンターのボーカルが消えてへぇ〜とか。
●今後
これができて、次はバランス型ヘッドホンアンプ兼プリアンプ(すでに部品はそろっている)、ヘッドホンMDR-CD900STのバランス化、STAXイヤースピーカードライバのバランス化(新製)と進む予定です。ただ、バランス型ヘッドホンアンプの出力はアンバランスにはつなげないので、改造予定のない300Bアンプや、その他のヘッドホン・イヤホン用にアンバランスのプリアンプも残します。Cold側をオープンにしたアダプタやケーブルを作ればいいんですが、それは一般的でないらしくできれば使いたくないので……。
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